ロタウイルス感染症は、特に乳幼児に多く見られる急性胃腸炎の一種ですが、高齢者にとっても注意が必要な感染症です。以下では、ロタウイルス感染症の問題点、高齢者が感染しやすいかどうか、孫からの感染リスク、そしてロタウイルスワクチンの効果について詳しく解説します。

ロタウイルス感染症の問題

ロタウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染が成立します。感染すると、激しい下痢や嘔吐、発熱などの症状が現れ、特に脱水症状が深刻になることがあります。高齢者は免疫力が低下しているため、感染すると重症化するリスクが高まります。

高齢期で感染しやすいか?

高齢者は免疫機能が低下しているため、ロタウイルスに感染しやすくなります。特に、介護施設などで集団生活をしている場合、感染が広がりやすい環境にあります。また、既往症がある場合や体力が低下している場合は、感染リスクがさらに高まります。

孫からうつる可能性

ロタウイルスは主に糞口感染によって広がります。同居している孫や遊びにきた孫がロタウイルスに感染している場合、オムツ交換や食事の世話を通じて高齢者に感染する可能性があります。特に、手洗いや消毒が不十分な場合、感染リスクが高まります。

ロタウイルスワクチンの効果

ロタウイルスワクチンは、主に乳幼児を対象とした予防接種です。高齢者への接種は認められていません。しかし、高齢者にとっても間接的な効果があります。乳幼児がワクチンを接種することでロタウイルスに感染するリスクが減少し、孫から高齢者への感染リスクも低減することが期待されます。

ロタウイルスワクチン

ロタリックス [1価・2回接種]
一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。交差免疫によってほかの種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。
4週間隔で2回接種します。遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を接種し、生後24週(168日)までに接種を完了します。

ロタテック  [5価・3回接種]
流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。 4週間隔で3回接種します。遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を接種し、生後32週(224日)までに接種を完了します。

まとめ

ロタウイルス感染症は高齢者にとっても重大な健康リスクとなり得ます。特に、孫からの感染リスクを考慮し、家庭内での衛生管理を徹底することが重要です。また、ロタウイルスワクチンの接種を推奨することで、家族全体の感染リスクを減少させることができます。高齢者自身も、手洗いや消毒を徹底し、感染予防に努めましょう。ロタウイルスはノロウイルスと同様アルコールではなく、次亜塩素酸(ハイターなど)での消毒が必要です。