血中アミラーゼ値は、健康状態を示す重要な指標の一つです。アミラーゼは主に唾液由来と膵臓由来の2種類があります。これらの値が高い場合、特に膵臓由来のアミラーゼ値が高いときには、いくつかの健康リスクが考えられます。
膵臓由来アミラーゼ値が高い:お腹が痛いとき
膵臓由来のアミラーゼ値が高い場合、以下のような症状や病気の可能性があります。
急性膵炎:
- 症状: お腹が痛い、特にみぞおちから上腹部にかけての激しい痛み。
急性膵炎は、膵臓の急激な炎症によって引き起こされ、重症化すると命に関わることがあります。
急性膵炎は、膵臓の消化酵素が膵臓自体を消化してしまうことで炎症が起こります。これにより、膵臓やその周囲の組織が壊死し、感染症を引き起こすことがあります³。特に、腸内細菌が膵臓やその周囲に感染することで、病状が悪化するリスクが高まります。
腸内細菌(グラム陰性桿菌)が膵臓に感染することがあります。また、ウイルス感染も急性膵炎の原因となることがあり、例えば、コクサッキーウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルスなどが報告されています。 - 原因: 飲酒、胆石など。
- 対策: 早期の医療機関受診が必要です。
慢性膵炎:
- 症状: 持続的な腹痛、食後の痛み、倦怠感。
慢性膵炎は、長期間にわたる膵臓の炎症が特徴で、繰り返し発生することがあります。慢性膵炎でも、膵臓やその周囲の組織が壊死し、感染症を引き起こすことがあります。
慢性膵炎の主な原因は長期にわたるアルコール摂取ですが、感染症が関与することもあります。細菌感染による慢性膵炎は比較的まれですが、膵管の狭窄や膵石がある場合に感染が起こりやすくなります。ウイルス感染が直接の原因となることは少ないですが、慢性的な炎症が続くことで膵臓の機能が低下し、感染リスクが高まることがあります。 - 原因: 繰り返される膵臓の炎症。
- 対策: 定期的な検査と生活習慣の改善が重要です。
膵臓由来アミラーゼ値が高い:お腹が痛くないとき
お腹が痛くない場合でも、膵臓由来のアミラーゼ値が高いことがあります。この場合、特に注意が必要です。
膵臓がん
- 症状: 初期症状がほとんどないため、発見が遅れる場合が多い。
- リスク: 高齢者に多く見られ、進行が早い。
- 対策: 定期的な検査と早期発見が鍵です。
まとめ
アミラーゼ値の異常は、膵臓や唾液腺の健康状態を示す重要なサインです。特に高齢者の皆様は、定期的な健康診断を受け、異常が見つかった時には早めに医療機関を受診することが大切です。