温泉はリラックスできる素晴らしい場所ですが、稀に「レジオネラ属菌」という細菌に感染することがあり、高齢者の皆様は特に注意が必要です。温泉などの入浴施設を利用した後、数日間は体調の変化に注意しましょう。

温泉施設での感染症リスクを減らすために、以下のポイントを押さえておきましょう。

温泉での感染症リスク

温泉や銭湯などの入浴施設は、レジオネラ属菌などの細菌が繁殖しやすい環境です。特に、ぬめりがある場所は細菌の温床となることが多いです。

レジオネラ菌に感染すると、肺炎や発熱などの症状が現れることがあります。特に、高齢であることが、このレジオネラ肺炎を引き起こすリスクファクターのひとつになっています。致死率は5~10%程度といわれていますが、高齢であると、さらにこの致死率は上がります。ただ、ヒトからヒトにうつることはありません。

温泉利用時の注意点

1. ぬめりに注意:浴槽や床にぬめりがある場合は、できるだけ触れないようにしましょう。ぬめりは細菌の集まりであることが多いです。

2. 清潔な施設を選ぶ:きちんと清掃された、清潔な施設を選びましょう。

自宅に戻ってから気を付けること

温泉から帰宅した後も、以下の点に注意してください。

– 体調の変化に注意:温泉利用後に発熱、頭痛、食欲不振など体調に異常を感じた場合は、すぐに医療機関で診察や検査(尿検査で判別が可能)受けるなどの対応をしましょう。特に、高齢者は免疫力が低下しているので、早期に対応することが重要です。

温泉を安全に楽しむために、これらのポイントを心に留めておきましょう。健康第一で、楽しい温泉ライフをお過ごしください。

重要:レジオネラは、自然界に広く生息しています。温泉以外でも、家庭や高齢者施設などで使っている湿気を伴うような機器、例えば加湿器の水を溜めておくタンクなどにはこの細菌が棲みついている可能性があります。水はこまめに取り換え、水道水など清潔な水を使用し、タンクやノズルを定期的に掃除することが重要です。

投稿者

cooter@

大阪大学でウイルス学を専門にしていました。大学を定年退職後はワクチンメーカー、そん後は地方衛生研究所、そして大学発ベンチャー会社と勤め、現在は完全退職(大阪大学名誉教授)です。

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