インフルエンザウイルスは主にA型、B型、C型の3種類に分類されますが、特にA型とB型が毎年冬季に流行しやすいです。以下にそれぞれの特徴と注意点をまとめました。
A型インフルエンザウイ
- 特徴: A型インフルエンザは、ウイルス表面のヘマグルチニン(HA*)とノイラミニダーゼ(NA*)の組み合わせにより多くの亜型に分かれます。これにより、毎年異なる亜型が流行することがあります。
- 症状: 高熱(38度以上)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛、咳、鼻水などが急に現れます。
- 注意点: 高齢者や基礎疾患を持つ人は重症化しやすいため、早期のワクチン接種が推奨されます。
B型インフルエンザウイルス
- 特徴: B型インフルエンザは人にしか感染せず、A型と同様に冬季に流行します。
- 症状: A型とほぼ同じですが、症状がやや軽いことが多いです。
- 注意点: A型と同様に、ワクチン接種が重要です。また、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染予防策も有効です。
C型インフルエンザウイルス
- 特徴: C型インフルエンザは主に小児に感染し、一度かかると再感染することはほとんどありません。
- 症状: 発熱、咳、鼻水が主な症状で、A型やB型に比べて軽いことが多いです。
- 注意点: 高齢者が感染することは稀ですが、家族内での感染拡大を防ぐために注意が必要です。
注意点と喚起事項
- ワクチン接種: 高齢者や基礎疾患を持つ人は、インフルエンザワクチンを毎年接種することが推奨されます。ワクチンは重症化を防ぐ効果があります。
- 基本的な感染予防策: 手洗い、うがい、マスクの着用、適切な換気を心がけましょう。
- 早期の医療機関受診: インフルエンザの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
- 予防策の徹底: 基本的な感染予防策を徹底することで、インフルエンザの感染リスクを大幅に減らすことができます。
- ワクチンの効果: ワクチンを接種することで、インフルエンザにかかっても重症化を防ぐことができます。ただし、感染を防御できる免疫応答は十分でないと考えられており、ワクチンを接種しても感染を防ぐことは難しいです。
*A型インフルエンザウイルス:HAとNAは、ウイルス粒子の表面全体に突起状に分布している糖と糖タンパクでできている成分です。HA成分とNA成分は、それぞれ16種類と9種類の血清型(免疫反応では別の成分、すなわち区別できる型)の存在が知られています。理論上、16 x 9 = 144種類(亜型)のウイルス粒子が存在すると考えられます。現在、人間に感染する型はH1N1とH3N2の2種類です。
B型インフルエンザウイルス∶ 山形系統とビクトリア系統が存在していました。
以上、人に感染する型のインフルエンザウイルスは4種類存在することから、これら4種類のウイルスのHA、NAを混合し、ワクチンが製造されています。ただ、最近山形系統のウイルスはすでに認められなくなっていると言われていますが、ワクチンはまだ4種類のウイルスの成分で製造されています。